【初心者向け】稼ぐほど税金アップ?累進課税をやさしく解説
1. はじめに ✨
「給料が増えたのに、なぜか手取りは思ったより増えていない」
多くの社会人が感じるこの疑問には、実は日本の税制が深く関わっています。
その正体が 「累進課税」。
一見すると「頑張って働いた人ほど損をする制度」のように見えるかもしれませんが、実際には 社会の公平性を保つための仕組み です。
本記事では、
- 累進課税の基本的な仕組み
- 実際の計算方法
- よくある誤解
- 節税に活かす方法
を、初心者にもわかりやすく解説します。
2. 累進課税とは? 📝
2-1. 所得が多いほど税率が上がる仕組み
累進課税とは「所得が多い人ほど高い税率を課す仕組み」のことです。
社会的に余裕のある人に多く負担してもらうことで、全体のバランスを取るのが目的です。
2-2. 所得税と住民税の違い
- 所得税 → 累進課税(5%〜45%)
- 住民税 → 一律10%+均等割
つまり「稼ぐほど税率が上がる」のは所得税が中心です。
2-3. ポイントは「超えた部分だけ」
「課税所得が500万円なら全部20%課税されるの?」と誤解されがちですが、そうではありません。
各段階を超えた部分だけに高い税率がかかる のが特徴です。
3. 累進課税の仕組みを数字で理解 💡
日本の所得税は7段階に分かれています。
課税所得税率控除額〜195万円5%0円195〜330万円10%97,500円330〜695万円20%427,500円695〜900万円23%636,000円900〜1,800万円33%1,536,000円1,800〜4,000万円40%2,796,000円4,000万円超45%4,796,000円
計算例:課税所得500万円
- 〜195万円 → 5% → 97,500円
- 195〜330万円 → 10% → 135,000円
- 330〜500万円 → 20% → 340,000円
合計:572,500円(所得税額)
👉 「500万円全額に20%課税される」のではなく、区分ごとに計算されることが分かります。
4. 累進課税の目的 ⚖️
公平性の確保
もし全員一律10%の税率なら、年収200万円の人は20万円、年収2,000万円の人は200万円の税金を払います。
一見公平に見えますが、生活への影響はまったく違いますよね。
累進課税は「生活に余裕がある人は多めに税負担を」という考え方で設計されています。
社会全体の安定
税収は医療・年金・教育などに充てられます。
高所得者からの税収が増えることで、社会保障が維持され、結果的に全員にメリットがある仕組みです。
5. よくある誤解 ❌
❌ 誤解1:収入が増えると逆に手取りが減る
→ そんなことはありません。税率が上がるのは「超えた部分だけ」です。
❌ 誤解2:住民税も累進課税
→ 住民税は一律10%+均等割なので、累進課税はありません。
❌ 誤解3:全部に高い税率がかかる
→ 実際は「区切られた部分だけ」です。
6. 年収別・手取りシミュレーション 💴
(会社員で社会保険料をざっくり20%と仮定)
年収所得税住民税手取りの目安300万円約7万円約20万円約213万円500万円約19万円約33万円約348万円800万円約52万円約53万円約537万円1,200万円約147万円約98万円約815万円
👉 収入が増えても「手取りが逆に減る」ことはなく、段階的に税負担が増えるだけです。
7. 累進課税と節税テクニック ✨
所得控除を活用
- 医療費控除:家族合算で10万円を超えたら申請
- ふるさと納税:実質2,000円で寄附額が控除
- 保険料控除:毎年忘れず申請
税制優遇制度
- iDeCo:掛金全額が所得控除に
- NISA:運用益が非課税
フリーランスの場合
- 経費計上(家事按分も活用)
- 青色申告控除(65万円)で大きく節税可能
8. Q&Aコーナー 🙋
Q1. ボーナスも累進課税の対象ですか?
→ はい、給与所得として合算されます。ただし社会保険料控除なども影響します。
Q2. 共働きの場合はどうなる?
→ それぞれが別々に課税されます。世帯合算ではありません。
Q3. 年収アップを避けた方が得?
→ いいえ。増えた収入分に高い税率がかかるだけで、手取りは必ず増えます。
9. 今後の動向 🔍
- 高所得者への増税(富裕層課税)の議論が進んでいる
- フリーランスや副業人口の増加に合わせた制度見直し
- 若年層への負担軽減策も検討中
10. まとめ 🌟
- 累進課税は「稼ぐ人が損をする制度」ではなく「公平性を保つための制度」
- 実際には「超えた部分だけ」に高い税率がかかる
- 誤解されやすいが、正しく理解すれば怖くない
- 所得控除・iDeCo・ふるさと納税を組み合わせれば、節税も十分可能
👉 正しい知識を持つことで「税金の不安」は減り、収入アップも前向きに考えられるようになります。
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