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フリーランス成功の第一歩!初日に決める単価と仕事の進め方

ノートパソコンの前で資料を手にする男性フリーランスのイラスト。背景には「円マーク」と「チェックリスト」のアイコン、見出しに「フリーランス成功の第一歩!初日に決める単価と仕事の進め方」と書かれた温かみのある配色のデザイン。
目次

1. はじめに:独立初日に決めることが未来を左右する

フリーランスになった瞬間から、あなたは「自分が社長」であり「自分が社員」です。
つまり、何をいくらで売るのか、どれくらい働くのか、そのすべてを自分で決めなければなりません。

多くの人は、独立初日に「仕事を取ること」ばかりに意識が向きがちです。
もちろん営業や案件獲得は大事ですが、それ以前に決めておくべきことがあります。
それが**「単価」と「稼働方式」**です。

この2つは、あなたのフリーランス生活の土台になります。

  • 単価を安く設定しすぎれば、どれだけ働いても収入は伸びず、消耗します。
  • 稼働方式を考えずに仕事を詰め込みすぎれば、体力・精神力の両方が削られます。

逆に言えば、独立初日にここをしっかり設計しておけば、長期的に安定して稼ぎ続けられる可能性が高まります。

この記事では、フリーランスの初日に決めておきたい「単価」と「稼働方式」の考え方と、その具体的な決定手順を解説します。
これから独立する人も、すでに始めているけれど働き方を見直したい人も、今日から使える実践的な内容になっています。


2. 単価と稼働方式を決める前に押さえるべき前提

単価や稼働方式を決める前に、まず理解しておきたいのが会社員とフリーランスの収入構造の違いです。
この認識がないまま単価設定をすると、「思ったより手取りが少ない…」という落とし穴にはまりやすくなります。


1. 会社員とフリーランスの収入構造の違い

  • 会社員:額面給与から社会保険料や税金が天引きされた状態で手取りが振り込まれる。
  • フリーランス:請求金額=売上で入り、そこから経費・税金・保険料を自分で支払う。

見た目の金額が同じでも、フリーランスのほうが手取りは少なくなりやすいのです。


2. 経費・税金・社会保険を考慮した手取り計算

フリーランスは売上の30〜40%程度が税金や社会保険に消えると考えるのが安全です。
さらに、業種によっては機材や交通費、ソフトウェア代などの経費も発生します。

例:月売上50万円の場合

  • 税金・保険:約15〜20万円
  • 経費:3〜5万円
  • 手取り:約25〜32万円

3. 自分のスキル価値を把握する方法(市場調査)

単価設定は「自分の欲しい金額」だけで決めるのではなく、市場相場とのバランスも必要です。

  • クラウドソーシングの案件単価を調査(ランサーズ、クラウドワークスなど)
  • 求人情報から相場を確認(業務委託案件の時給や固定報酬)
  • 業界コミュニティでの情報交換(SNS、交流会など)

この前提を押さえてから単価や稼働方式を決めることで、「働いているのにお金が残らない」という事態を防げます。

3. 単価設定の基本ステップ

単価設定は、フリーランスの収入と働き方を決める最重要ポイントです。
安すぎれば消耗し、高すぎれば案件獲得が難しくなります。
ここでは、現実的かつ戦略的に単価を決めるための4ステップを紹介します。


ステップ1:生活費から逆算する

まずは**「月にいくら必要か」**を明確にします。

  • 生活費(家賃・食費・光熱費)
  • 税金・保険(売上の30〜40%を目安)
  • 貯蓄・投資(将来の備え)

例:

  • 生活費 25万円
  • 税金・保険 15万円
  • 貯蓄 5万円
    → 必要月売上:45万円

ステップ2:必要売上から時間単価を算出

次に、働ける時間を考慮します。

  • 月間稼働時間:160時間(週40時間×4週)
  • 必要売上:45万円
    → 必要時間単価:約2,813円

ステップ3:市場相場と比較する

  • クラウドソーシングやフリーランスエージェントで同業の単価を調査
  • 自分のスキルレベルと経験を踏まえて相場より少し高め〜同等で設定

ステップ4:将来の値上げ計画を立てる

  • 実績が増えたら〇%アップ
  • 長期契約更新時に交渉
  • 新スキル習得後に価格見直し

この4ステップを踏むことで、「なんとなくの金額」ではなく、根拠のある単価設定が可能になります。


5. 稼働方式の選び方

単価設定と同じくらい重要なのが稼働方式です。
どんな形で仕事を受けるかによって、収入の安定性・働きやすさ・スキル成長のスピードが変わります。


1. 案件単位で動く

  • 特徴:プロジェクトごとに契約し、納品後に終了
  • メリット:自由度が高い/多様な案件に関われる
  • デメリット:案件が途切れるリスク/営業活動が必須
  • 向いている人:実績を増やしたい時期、幅広い経験を積みたい人

2. 固定契約で動く

  • 特徴:毎月決まった報酬で継続稼働
  • メリット:収入が安定/長期的に関係を築ける
  • デメリット:拘束時間が長くなる/自由度が低い
  • 向いている人:安定収入を重視する人、同じ業務を継続できる人

3. リモート型稼働

  • 特徴:自宅やカフェなど場所を選ばず作業
  • メリット:通勤不要/時間の使い方が柔軟
  • デメリット:自己管理が必要/孤独感が出やすい
  • 向いている人:自己管理が得意な人、集中環境を作れる人

4. 常駐型稼働

  • 特徴:クライアント先に出向いて作業
  • メリット:信頼関係が築きやすい/チームワーク経験が積める
  • デメリット:通勤が必要/時間拘束が強い
  • 向いている人:チーム開発や密なコミュニケーションが必要な業務

5. 複数案件並行

  • 特徴:複数のクライアントと契約し、同時進行
  • メリット:収入源が分散され、リスク分散になる
  • デメリット:スケジュール管理が複雑/マルチタスク能力必須
  • 向いている人:スケジュール管理が得意で変化に強い人

この稼働方式は単価設定とも密接に関係します。
例えば、低単価案件を複数掛け持ちするより、高単価案件を少数に絞ったほうが効率的になるケースも多いです。

6. 初日に決めておくべき稼働ルール

フリーランスは自由度が高い一方で、境界線を引かないと仕事が生活を圧迫します。独立初日に自分なりの稼働ルールを決めておくことで、無理のない働き方と長期的なパフォーマンス維持が可能になります。


1. 稼働時間の上限

  • 例:平日〇時間、休日は原則稼働しない

  • 上限を決めないと、案件が増えるたびに生活時間が削られる


2. 案件の取捨選択基準

  • 単価:〇円/時間以上

  • 内容:得意分野 or スキルアップにつながるもの

  • 納期:無理のないスケジュールで対応できる範囲


3. 休日・対応時間の明確化

  • メール・チャット対応は平日10:00〜18:00

  • 休日や夜間は原則対応しない(緊急時の条件を明記)


4. 緊急対応の可否ルール

  • 対応する場合は割増料金を設定(例:通常単価の1.5倍)

  • 常態化を防ぐため、あくまで例外対応とする


5. 契約前にルールを提示

  • 契約書や業務開始前のメールで稼働条件を明示

  • トラブル防止と信頼構築につながる


こうしたルールは後から変えても構いませんが、「ない状態」で走り始めると後から調整が難しくなります。


7. 単価交渉の基本とコツ

単価は一度決めたら終わりではなく、案件ごと・契約更新ごとに見直していくべきです。
ただし、感覚や感情だけで交渉すると断られる可能性が高くなります。
ここでは、実際に使える単価交渉の基本とコツを解説します。


1. 根拠を持って提示する

  • 「スキル」「実績」「市場相場」の3つをベースに金額を提示
  • 例:「同様の案件では〇円〜で対応しており、内容的にも同水準と考えています」

2. 価格だけでなく条件もセットで交渉

  • 単価を上げられない場合は納期や稼働時間を減らす提案
  • 「この条件なら〇円で可能です」とセットで提示

3. 値上げのタイミングを見極める

  • 契約更新時
  • 成果を出した直後(アクセス数増加、売上向上など)
  • 新しいスキルや資格を取得した時

4. 相場より安くても引き受けるケース

  • 実績作りや新ジャンル開拓のため
  • 大手や有名企業との取引実績を獲得できる場合
  • 将来的に高単価案件につながる見込みがある場合

5. 安売り沼を避ける

  • 「安く受けるのが当たり前」という認識を作らない
  • 値上げ交渉がしにくくなる前に条件を整える

単価交渉は“お願い”ではなく“ビジネス上の条件調整”です。
自信を持って根拠を提示し、対等な立場で話すことが大切です。

8. 稼働方式と単価の組み合わせ事例

単価と稼働方式は切り離して考えるのではなく、セットで戦略設計することで収入と働き方のバランスが取れます。
ここでは、フリーランスの成長ステージ別に、実際の組み合わせ例を紹介します。


1. 初期:低単価 × 短期案件で実績作り

  • 目的:経験を積み、ポートフォリオを充実させる
  • 稼働方式:案件単位/短期プロジェクト中心
  • メリット:多様なジャンルに挑戦できる
  • デメリット:単価が低く収入は不安定
  • ポイント:実績を公開できる案件を優先

2. 中期:中単価 × 長期契約で安定化

  • 目的:収入の安定と固定クライアント確保
  • 稼働方式:月額固定契約+リモート型が中心
  • メリット:収入の予測が立てやすい/信頼関係が構築できる
  • デメリット:契約終了のリスクに備える必要あり
  • ポイント:契約期間中も新規案件開拓を続ける

3. 成熟期:高単価 × 限定稼働で効率化

  • 目的:労働時間を減らし、単価を最大化
  • 稼働方式:プロジェクト単価制/成果報酬制
  • メリット:短時間で高収入を狙える
  • デメリット:成果が出なければ収入が不安定
  • ポイント:強みを活かせる専門領域に絞る

このように、成長段階ごとに単価と稼働方式を見直すことで、無理なくステップアップが可能になります。

9. 単価と稼働を見直すタイミング

フリーランスは、最初に決めた単価や稼働方式をずっと固定する必要はありません。
むしろ定期的に見直すことで、収入アップや働き方の最適化が実現します。


1. スキルアップした時

  • 新しいスキルやツールを習得した
  • これまでより短時間で高品質な成果を出せるようになった
    → 単価を引き上げ、効率的に収益化するタイミング

2. 新しいクライアントを獲得した時

  • 高単価案件の実績を作れた
  • 業界的に単価が高いクライアントから声がかかった
    → 既存クライアントにも条件見直しを提案できるチャンス

3. 稼働時間が限界に近づいた時

  • 物理的にこれ以上案件を増やせない
    → 単価を上げる or 低単価案件を整理して効率化

4. 生活スタイルが変わった時

  • 引っ越し、家族構成の変化、健康面の事情など
    → 稼働時間や案件内容を見直して持続可能な働き方に調整

5. 契約更新やプロジェクト完了時

  • 契約満了は条件変更の絶好の機会
  • 実績と成果をデータで示し、交渉の材料にする

単価と稼働方式の見直しは「年に1〜2回」でも十分です。
重要なのは、惰性で続けず、意識的にアップデートしていくことです。

10. まとめ:初日の判断が未来を決める

フリーランスとして独立した初日は、新しい働き方のスタートであり、これからの方向性を決める重要な1日です。
この日に「単価」と「稼働方式」をしっかり決めておくことで、無駄な消耗を防ぎ、安定した収入と働きやすさを確保できます。

本記事で紹介したポイントを振り返ると——

  • 会社員とフリーランスの収入構造の違いを理解する
  • 必要な生活費から逆算して単価を設定する
  • 市場相場とスキルレベルを踏まえて金額を決める
  • 稼働方式(案件単位・固定契約・リモート・常駐など)を自分に合う形で選ぶ
  • 初日に稼働ルールを明確化してクライアントに提示する
  • 単価交渉は根拠を持ち、条件とセットで行う
  • 成長や状況の変化に合わせて単価と稼働方式を見直す

フリーランスは自由度が高い分、自己管理と戦略設計が欠かせません。
初日の判断がその後の数年を大きく左右します。

今日からあなたも、自分のビジネスの「値札」と「働き方のルール」をしっかり設定し、持続的に成長できるフリーランスライフを築いてください。

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